滑舌が悪いと発音しにくい音がある
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あなたは上手に「さしすせそ」を繰り返して言うことができますか?
歯並びが悪い人が苦手なのが、実はサ行。
サ行は歯擦音といい、前歯をこすり合わせて、その間を息が漏れることで発音される音です。
だから出っ歯やすきっ歯、受け口、といった歯並びの場合、うまく前歯をこすり合わせることができません。
それがサ行の発音に影響を与えているのです。
だからサ行の発音がうまくありませんし、滑舌にも影響を及ぼします。
そのほかにもタ行、ナ行、ラ行も歯並びの影響を受けやすい音だと言われています。
現代の日本語は、昔と違って微妙な発音の使い分けをする場面が減っているので、多少発音が悪くても通じることがほとんどですが、英語圏だと「sa」と「th」のように、日本語表記なら「サ」で済むところを発音し分けなくてはいけないこと多々あります。そうした事情もあって、欧米では日本よりも歯列矯正が熱心に行われるという説もあるようです。
ボイストレーナーさんなどによっては「矯正治療を受けなくても滑舌は直せる」と教えている方もいますが、歯と歯のすき間を使って発音する「サ行」など、歯並びが悪いままでは発音しにくい音も存在します。欧米では「s」と「th」を区別する必要があるため、日本より矯正が普及しているのだとか。サシスセソが言いづらいと感じる人や、英語の発音を良くしたい人は、歯列矯正を検討してみるといいかもしれません。
矯正しても滑舌が良くなるとは限らない
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歯並びが悪いと舌や唇の動きに制限が出来て、滑舌が悪くなる事が多々あります。
また、噛み合わせた時に上下の歯が噛み合わなかったり、隙間があったりすると息がもれますので発音に支障が出て来ます。
歯並びを治す事で舌の動きが滑らかになりますので、滑舌や発音は改善する可能性が高くなります。
ただ、長期間にわたって歯並びが悪く、滑舌や発音に支障が出ている場合は悪い癖がついてしまっていて、歯並び治療終了後にリハビリ的に発音の練習や舌の動きを意識して会話するようにしないと完全に治らない事もあります。
歯並びに影響を受ける音はありますが、歯並びを矯正した途端に発音が良くなるというわけではありません。長期間にわたって歯並びが良くない状態で過ごしていると、発音の仕方に悪い癖がついてしまうこともあると言われています。矯正するだけでなく、舌の動きなどをトレーニングする必要があるようです。
直したい「舌癖」
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日ごろ夢中になって本を読んだり、テレビを見ているときに口をポカンと開けて上下の歯の間に舌を出していたり、食べ物を飲みこむときに舌をつ き出し、歯を押しだす癖のことを舌癖といいます。
私たちは無意識のうちに1日600~2000回飲みこむ動作(嚥下(えんげ)といいます)をしていますが、舌癖のある人は、いつも舌が下あごや上下の歯の間にあり、歯を押しだしています。
そして飲みこむときには、さらに押し出す強い力が歯に加わるのです。
また、いつも口を開けているため、舌が内側 から歯を押す力に対して、外側から押さえるくちびるやほほの筋肉に力がありません。
そのため、舌癖が原因で出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間が開いたり、上下の歯 がかみ合わない歯ならびになることが多いのです。
また、話をするときにその隙間に舌が入るため、サ行、タ行、ナ行、ラ行などが舌たらずな発音になることもあります。
舌で歯を押し出す癖のことを「舌癖」といいます。この舌癖が「出っ歯」や「すきっ歯」の原因になったり、サ行などの発音に悪影響を及ぼしたりすることもあるようです。サ行の滑舌が悪いのは舌癖のせいかもしれません。歯並びや発音の悪化を防ぐために、舌癖はなるべく早く直したほうがいいでしょう。
できれば子供のうちにトレーニングを
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子供の滑舌が悪い場合、早めに滑舌の改善に取り組んでいく必要があります。
小学校に入るまでに、しっかりとした発音を覚えなければ、間違った発音方法が癖になってしまい、大人になって治すことも難しくなります。
間違った発音方法が根付いてしまった場合、滑舌改善のトレーニングを受けたり、自宅でトレーニングをしていても、矯正するまでに1年以上の時間が必要となります。
大人になってから発音のトレーニングをしたり、舌癖を直したりするのは結構大変。できれば子供のうちに舌や口の筋肉の正しい使い方を習得しておきたいものです。アカンベーや風船遊びも口内のトレーニングになるそうです。また、歯ごたえのあるものをしっかり噛んで食べるとか、大人がはっきりした言葉を聞かせることも重要と言われています。