歯が痛い!と思ったら…まず、すること
まず、歯が痛いと思ったら、原因を追及するために、デンタルクリニックで診察を受け、根本的な原因を知り、少しでも手遅れにならないようにしましよう。
虫歯や歯周病以外の場合は、原因がいくつもありますので注意が必要です。
虫歯や歯周病以外の場合は、原因がいくつもありますので注意が必要です。
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虫歯など口腔関係以外の歯の痛みの原因は「歯の食いしばり」?
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虫歯や歯周病以外の歯の痛みには、「歯の食いしばり」や「歯ぎしり」が原因として起こる場合があります。人間は、食事の時間以外、普段は歯と歯の間が約2~3mm開いている安静空隙(あんせいくうげき)の状態が正常です。しかし、人間は時としてストレスを感じた時に、ストレスを発散するために色々な行為を行うことがあります。中でも歯に関する行為だと「食いしばり」や「歯ぎしり」などで、それらの行為は、無意識のうちに行うことが多くあります。
「歯の食いしばり」とは、上下の歯を合わせて力を加えることで、中には1~2時間行う人もいます。
「歯の食いしばり」とは、上下の歯を合わせて力を加えることで、中には1~2時間行う人もいます。
安静空隙とは、下顎安静位における上下顎の歯列間距離のことです。正常値は、前歯部で2~3mmです。安静空隙は咬合高径決定の目安となります。
人間の嚙む力はその人の体重位と言われ、食事の時の噛む力はいつもの20~30%だと言われています。例えば、体重50㎏の人だと、嚙む力…50㎏、食事時…10~15㎏となり、一般的に硬い食べ物と言われている「せんべいは14㎏」、「ピーナッツは12㎏」に比べるとかなりの数値になりますね。毎食にもこれだけの圧力が歯にかかる他に、「食いしばり」などで圧力がかかると、当然歯ぐきにも影響が出てきます。
みなさん、食いしばりは一体どれだけの力で咬んでいるかご存知でしょうか?
通常、人間は、思いっきり食いしばっても自分の体重分の力でしか咬むことができないといわれています。(60kgの人であれば、60kg前後の力でしか咬めません)しかし、無意識状態で行われる食いしばりや自重の5~10倍の力で咬んでいる場合がほとんどといわれており、さらに局所的には30倍もの力がかかっているとも言われています。(60kgの人であれば、なんと最大1800kg!!!)それほど強力な力が普段からあなたの歯にかかっているのは驚きではないでしょうか。
「歯の食いしばり」で起こる症状
歯の痛みや知覚過敏になる
痛みの場所が特定されず、一定の場所で痛みが起こらない場合には、歯の食いしばりにより、歯ぐきや歯に炎症が起きていることが考えられます。また、症状が進むと歯の根元や歯に亀裂が入り、知覚過敏や歯周病などを引き起こすこともあります。
歯の割れや 骨隆起を起こす
「歯の食いしばり」の強い圧力がかかることにより、歯が弱くなり、割れることがあります。特に、歯の神経がない場合は歯がもろくなっているので、割れやすくなっています。
また、「歯の食いしばり」により、強い力に押された骨は圧力に耐えようと太くなるため隆起し、歯ぐきが盛り上がってきます。主に、骨隆起ができる場所は下アゴの裏側や上アゴの中央が多いです。
また、「歯の食いしばり」により、強い力に押された骨は圧力に耐えようと太くなるため隆起し、歯ぐきが盛り上がってきます。主に、骨隆起ができる場所は下アゴの裏側や上アゴの中央が多いです。
顎関節症になる
①顎が痛む②口が大きく開かない(開口障害)③顎を動かすと音がなる(関節雑音)④閉口できない。などの症状がでる「顎関節症」になることもあります。
頬内側や舌粘膜の圧痕
いつも上下の歯がかみ合わされるので、奥歯の高さが低くなっているために、頬の内側や舌の横に歯型の跡がつくようになってきます。
肩こり、首のこり、頭痛が起こる
下顎骨の動きは、主に咀嚼筋の働きでできており、咀嚼筋の中には内側翼突筋や外側翼突筋と呼ばれている筋肉が、咬筋や側頭筋、表情筋などと連携して口を開閉させています。咀嚼筋は、「三叉神経」を支配し、表情筋は「顔面神経」に関与しているので、歯の食いしばりにより固くなった咀嚼筋により、肩こりや首のこり、頭痛などの症状がおきます。
歯の食いしばりの治療法とは?
歯の食いしばりの治療法には、①マウスピース治療法②咬合治療法③サプリメントなどの栄養療法、があります。
マウスピース治療法
マウスピースは筋肉の緊張で食いしばりが強く、かみ合わせがずれてしまった場合に、噛み合わせを正常な状態に調整し、ずれた筋肉を元に戻すための器具で、患者に合うマウスピースを製作し、毎日、装着することでかみ合わせを元に戻すための治療法です。
しかし、マウスピースの製作は非常に難しいために、マウスピースの専門知識や技術の高い医師に診てもらうことが重要となります。
しかし、マウスピースの製作は非常に難しいために、マウスピースの専門知識や技術の高い医師に診てもらうことが重要となります。
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また、マウスピースを装着した際のかみ合わせは正常な状態に戻るため、これを習慣化することで、おかしな位置に慣れてしまった筋肉の位置を元にもどしてあげるのです。
しかし、このマウスピースの製作は非常に難しく、ありとあらゆる角度から診査、診断が必要となるため、この分野を専門とした知識、技術の高い先生に診てもらうことが重要となります。
ボツリヌス菌注射治療
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ボツリヌス菌注射とは、美容外科などで行われる治療「ボトックス」のことで、部分的に筋肉の動きを弱め、筋肉の緊張を緩める作用があります。
歯の食いしばりや歯ぎしりにより、筋肉が硬くなって顎が開かなくなった人にボツリヌス菌注射を行うと筋肉が柔らかくなり、簡単に開 きやすくなりますので、歯の食いしばりなどの治療法に最適だと言えます。
もともとボツリヌス菌注射は、斜視や痙攣を治すために使われていた注射でした。
マウスピース治療法では、なかなか改善されなかった症状もポツリヌス菌注射と併用治療することにより、治療期間が短縮される利点があります。
歯の食いしばりや歯ぎしりにより、筋肉が硬くなって顎が開かなくなった人にボツリヌス菌注射を行うと筋肉が柔らかくなり、簡単に開 きやすくなりますので、歯の食いしばりなどの治療法に最適だと言えます。
もともとボツリヌス菌注射は、斜視や痙攣を治すために使われていた注射でした。
マウスピース治療法では、なかなか改善されなかった症状もポツリヌス菌注射と併用治療することにより、治療期間が短縮される利点があります。
咬合治療法
マウスピースとボツリヌス注射の併用治療法で、8~9割の人が回復しますが、中には、歯が抜け落ちていたり、ボロボロだったりして嚙み合わせがうまく機能しない人がいますので、その場合には、かみ合わせを根本的に改善するための咬合治療法が必要になります。個人差がありますが、治療期間は、早くて約半年で、歯列矯正などの処置を行うと2~3年位かかります。
咬合治療法には、レジンスプリント治療や歯列矯正、補綴矯正などがありますが、咬合治療は新しいために、デンタルクリニックでの統一された治療法が確立されていませんので、治療を受ける際には、担当の歯科医師と念密な打合せが必要になります。
咬合治療法には、レジンスプリント治療や歯列矯正、補綴矯正などがありますが、咬合治療は新しいために、デンタルクリニックでの統一された治療法が確立されていませんので、治療を受ける際には、担当の歯科医師と念密な打合せが必要になります。
レジンスプリントとは、レジンで製作したマウスピース状の治療器具です。装着は基本的に24時間ですが、取り外して歯を磨くことができます。使用中は調整のために来院いただき、レジンを削ったり足したりして調整します。また、レジンスプリントが行えない方の場合、試用期間中に見極めて使用を中止し、ほかの治療法を提案します。
サプリメントなどでの栄養療法とストレス回避
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睡眠中の食いしばりなどは、ビタミンBのナイアシン不足によると考えられているので、ナイアシンのサプリメントや漢方薬などを服用したり、精神を安定させるセロトニンなどのサプリメントを服用したり、バランスの良い食生活を過ごしたりします。また、日中の歯の食いしばりがある人は身体的ストレスが関わっていますので、ストレスを軽減させることも重要です。
「痛い歯の食いしばり」のまとめ
「歯が痛い!」と思ったら、まず、デンタルクリニックで診察を受けて原因を確かめましょう。虫歯や歯周病などの場合は、しっかりと治療します。それ以外の場合には、身体に悪影響を及ぼす病気などが隠れていないか、しっかりと原因を追求しましょう。そして、歯の食いしばりが原因の場合は、根本的な原因を取り除き、元気なライフワークをお過ごしください。