インプラント治療における喫煙のリスク
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インプラント治療による重要なポイントは「口の中を清潔にする」ということです。口腔内を切開する治療法であるインプラントにおいて、不潔な状態で放置することは感染病や歯周病の原因を作りかねません。喫煙をすることは口腔内にタバコを吸い込むと言うことです。ニコチンやタールが口の中に残ってしまい清潔とはいいがたい状態になるのです。また、タバコによるデメリットはそれだけではないのです。
喫煙による体への影響
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まず、関係性の説明の前に喫煙によるリスクを挙げていきましょう。タバコを吸い続けると肺が黒くなるという話を聞いたことが無いでしょうか?タバコの煙を直接吸いこんでしまうと、タールなどの有害物質が肺の中に長い年月をかけて蓄積していきます。そうなると、肺胞の破壊や機能低下などを引き起こし、呼吸器系疾患などにかかるリスクが高まるというのは有名な話です。
タバコには約4000種類にも及ぶ化学物質が含まれており、体に悪影響のある有害物質は250種類以上とも言われています。日本人の死因で最も多いと言われる3大疾患のどれもが喫煙者がかかるリスクが高いと言われ、喫煙者の肺ガン率も高いというデータが取られています。
タバコには約4000種類にも及ぶ化学物質が含まれており、体に悪影響のある有害物質は250種類以上とも言われています。日本人の死因で最も多いと言われる3大疾患のどれもが喫煙者がかかるリスクが高いと言われ、喫煙者の肺ガン率も高いというデータが取られています。
タバコによる健康被害
タバコによる健康被害は前述の3大死因である「ガン」、「心疾患」、「脳血管疾患」だけでなく、循環器疾患、呼吸器疾患なども挙げられます。そして歯周病の状態悪化なども喫煙が原因で引き起こされる可能性が高まるのです。
タバコに含まれるニコチンには毛細血管の収縮作用があり、血管が詰まりやすくなって血行が悪くなってしまうことが考えられます。喫煙にはこれ以外にも唾液の減少が見られ、これらがインプラント治療に大いに関わってくるのです。
タバコに含まれるニコチンには毛細血管の収縮作用があり、血管が詰まりやすくなって血行が悪くなってしまうことが考えられます。喫煙にはこれ以外にも唾液の減少が見られ、これらがインプラント治療に大いに関わってくるのです。
タバコによる健康被害がインプラントのトラブルに直結する
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タバコによる健康被害は肺の機能低下に代表される呼吸器疾患が特に注目されていますが、毛細血管の収縮による循環器疾患も深刻な問題なのです。そしてこれらはインプラント治療において、特に気をつけなければならない問題点です。それではタバコの健康被害によってインプラントにどのような影響を与えるのかを解説していきましょう。
血液循環の阻害が骨や歯肉の再生を抑制
インプラントを埋め込んだ後、インプラント体とあごの骨を結合させる必要があります。結合するには新しい細胞を増殖させる必要があり、そのための酸素や栄養を細胞に供給する必要があります。循環器系の機能低下は供給の妨げとなり、切開した歯肉やあごの骨の回復再生が遅れるなどの障害が発生します。タバコによる一酸化炭素は循環器系の低下や動脈硬化などの現象を引き起こす原因にもなります。
免疫力低下による感染病のリスクが高まる
インプラントの治療後に気を付けなくてはいけないのが歯周病や細菌による感染病です。細菌は酸素が少ない場所で繁殖しやすく、酸素が不十分で不潔な口腔内は感染を助長させる条件を揃えてしまうことになるのです。手術後の回復が遅い場合はさらにその可能性が高まります。
血管には血液と共に体中に酸素や栄養を送る働きがあり、体のめぐりが悪くなると必要な酸素や栄養分の供給が低下することになります。これらが不十分な体は免疫が低下していき、抵抗力を失い感染病のリスクを高めます。特に血液中にある白血球は細菌と戦う役割を持ち、この白血球の数が少なくなった状態はさらに感染病の危険性が高まります。
血管には血液と共に体中に酸素や栄養を送る働きがあり、体のめぐりが悪くなると必要な酸素や栄養分の供給が低下することになります。これらが不十分な体は免疫が低下していき、抵抗力を失い感染病のリスクを高めます。特に血液中にある白血球は細菌と戦う役割を持ち、この白血球の数が少なくなった状態はさらに感染病の危険性が高まります。
歯周病菌による炎症・膿・歯茎の硬化
タバコによる有害物質は細菌を繁殖させる原因にもなり、歯周病や歯肉炎が起こることで傷みや出血など歯肉への悪影響が生じます。インプラントを支える歯肉や歯茎が感染することで硬化するケースもあります。硬化した場合は表面が腫れにくくなり、歯周病に感染していることに気づかないということもあり得ます。
唾液の減少による口腔内の洗浄効果の低下
唾液は口の中の細菌や雑菌を洗浄・殺菌する役割を持ち、口腔内を清潔に保とうとしてくれます。その唾液が減少してしまうと口の中の細菌・雑菌、タバコの有害物質が洗浄されずに感染病のリスクを高めてしまうのです。
喫煙のリスクとインプラント治療によるトラブルの可能性
喫煙者がインプラントを施術し、失敗してしまったという例は様々ですが、禁煙者に比べ、3.7倍という結果や、失敗率が10パーセント高まるというデータがあります。喫煙してしまうと、インプラントの失敗の原因を作ってしまいます。しかし、すぐに禁煙してくださいと言い、すぐに禁煙できる方はまずいないでしょう。インプラントしたいと思う気持ちがあるのなら、まず、歯科医師と相談の際に、喫煙状況を素直に話しましょう。
このようにタバコの健康被害は体内のメカニズムに直結しており、巡り巡ってインプラント治療のトラブルへと回ってくるのです。インプラントの事故率は喫煙者と非喫煙者のデータが取られており、数字で見るとその差は歴然としています。事故率が非喫煙者に比べて10%高いという数字は決して軽い数字ではないのです。
徹底的な口の中のケアと治療後のメンテナンスが重要
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このように喫煙による健康被害はインプラントの治療後にも悪影響を及ぼすものであり、インプラント治療のトラブルは歯科医師の責任だけではない部分もあるのです。予防するには禁煙がもちろん一番なのですが、喫煙者にとってすぐに止めろと言うのは難しい話でしょう。
非喫煙者にも言えることですが、口内は常に清潔にすることと治療後の定期検診やケア、インプラントのメンテナンスは決して怠らないことが重要です。また、一日の本数を減らしたり、禁煙を考えてみる機会にするのも良いでしょう。インプラント治療を行う前には喫煙者の方は必ず歯科医師に相談することをおすすめします。
非喫煙者にも言えることですが、口内は常に清潔にすることと治療後の定期検診やケア、インプラントのメンテナンスは決して怠らないことが重要です。また、一日の本数を減らしたり、禁煙を考えてみる機会にするのも良いでしょう。インプラント治療を行う前には喫煙者の方は必ず歯科医師に相談することをおすすめします。