子供の歯の矯正は見た目を良くするだけではない
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歯の矯正と言うと「見た目を良くするもの」と思われてしまいがちですが、実はそれだけではありません。子供の成長にとって歯並びを良くするメリットは様々あります。
虫歯や歯周病になりにくい口になる
歯並びが悪いと歯ブラシがしっかりと当たらず磨き残しが多くなって虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。
お子さんがこれからの長い人生の中で虫歯や歯周病の治療に悩まされたり、歯を失ったりすることなく、一生自分の歯で物を噛み、おいしく食事ができることがどんなに素晴らしいことか想像してみてください。
体の健康的な成長を助ける
矯正をおこなうと「噛み合わせ」も良くなります。咬み合わせは発音や顎の関節、顎の筋肉の発達に影響してきます。
うまく噛めないことで食事がし辛いと栄養が摂れずに体の発育に影響したり、顎の関節や筋肉のバランスが崩れると肩こりや頭痛の原因にもなります。お子さんが健康にすくすく育つためにもお口の機能を最大限に活かすことが重要になります。
「受け口」や「出っ歯」の改善も見込める
受け口や出っ歯を否定するわけではありませんが、上下のあごのバランスが悪いと呼吸への悪影響が出てしまいます。特に受け口を改善するためには6歳~小学校中学年くらいの「一次治療期」が最も適していると言われているので、受け口の子供は早めに矯正を開始したほうが良いでしょう。
下顎前突(受け口)や上顎前突(出っ歯)、あごの曲りなどの場合、歯の問題だけではなく、骨格的な問題が関係している場合が多くなります。その場合には、お顔つきにも影響が出てきます。一期治療では、骨格的に上下のあごのバランスが悪い場合でも、成長を促してバランスを整えることができます。成長期の治療ではこれが一番大きなメリットだと思われます。
将来矯正をする場合に治療を楽にできる
例え子供の頃に矯正をおこなわなかったとしても、少し大きくなった段階で矯正をしたいと言ってくる子供もいるかもしれません。そういった場合、小さい頃に矯正をしておけば抜歯の必要性が無くなったり二期治療の負担や期間を少なくできる可能性があります。
子どものときから歯科矯正治療を始めると、定期的にお口の管理をするため、むし歯や歯周病などの歯科疾患の予防知識も身についてきます。
子供に歯の矯正を受けさせるデメリット
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子供に歯の矯正を受けさせることで身体的なデメリットはないですが、精神的なストレスになってしまったり金銭面で大きな負担となってしまう可能性があります。
一般的には、乳歯列期( 子どもの歯だけ)の料金は30,000 ~ 200,000 円、混合歯列期( 子どもの歯と大人の歯がまざっている) の料金は、150,000 ~ 600,000 円、永久歯列期( 大人の歯に交換後) の料金は、500,000~ 1,300,000 円とかなり幅があります。
ただし、子どもの歯のときから治療を開始して大人の歯に交換していく場合は、料金の調整をしている医院が大多数だと思います。
費用面もそうですが、子供がどうしても矯正をつけるのが嫌だという場合は考え直すことも必要です。
子供に歯の矯正を受けさせる時の歯医者の選び方
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1.矯正治療の相談において、診療システム、抜歯の可能性、期間、費用など、検査をしなくてもわかる範囲内で大まかな説明はしてくれる。
2.頭部全体(横顔など)のエックス線撮影や歯の模型など、治療前に必要な資料を整え、それに基づいて検査・分析・診断を行い、治療方針について丁寧に説明してくれる。
3.治療をするかどうか迷っている場合に、無理にすすめたりしない。
4.できれば小児歯科、矯正歯科の専門医または認定医であること。
基本的に数年間通う必要があるので「近隣」で、なるべく上記のような歯医者を探してみましょう。少し気まずくてもいくつかの歯科医院をまわって比較してみることも大切です。
まとめ
子供に歯の矯正を受けさせるためには、費用面などでもかなり勇気がいります。しかし、メリットとデメリットを見比べても受けられるなら受けておいた方が良いことは言うまでもありません。子供の歯並びが悪いと思ったら早めに歯医者に相談だけでもしに行くと良いでしょう。