銀歯をすぐに容器に入れて保管しよう
銀歯が外れたら、まずは変形や紛失を防ぐために、ティッシュなどで包まず直接フタ付きの容器に入れて保管して、歯医者に持参します。
ティッシュペーパーなどでくるんで置くと取れた詰め物が細いものであれば、弱い力でも変形します。また、ティシュペーパーにくるんで置いて無くしてしまったという方が数多くいらっしゃいます。家族の方が間違えて捨てることもありますね。
取れた原因によっては再利用が可能なため、必ずタッパーなどの容器で保存して、歯医者に行く時に持っていきましょう。再利用ができる場合は、新しく詰め物を作り直す必要がなくなるため、治療費用も安く済みます。
虫歯の温床になる!?しっかりブラッシングしよう
銀歯が取れた場所は溝が深く、他の歯よりも食べかすが詰まりやすかったり、歯垢の除去が難しいため虫歯になりやすく悪化しやすい状態です。
取れた部分の歯は柔らかい象牙質(硬いエナメル質の下にある部分)が露出し虫歯になりやすくなっています。
このため、歯医者に行くまでの間、ワンタフトブラシなどを利用してしっかりとブラッシングしてできるだけ銀歯が取れた場所に歯垢をためないようにしましょう。ワンタフトブラシは狭いところを磨くのに適しています。
歯ブラシの毛先を上手に当てることができない部位や毛先が入りにくい場所など、ポイントで磨きたいところに毛先が届き、効率よく汚れが取れる優れもののポイント歯ブラシです。
自分で銀歯をはめなおさない
簡単にはめなおせても、自分で銀歯を戻すのは危険なので絶対にやってはいけません。
取れた詰め物を戻してしっかり収まればいいのですが、もし浮いた状態で噛んでしまうと、詰め物が変形したり、残っている歯が割れたり、噛み合う歯が欠けたりすることがあります。
食事中などに外れる可能性が高く、誤飲の原因にもなります。とくに子どもやご高齢の方は注意が必要です。
また、歯医者による洗浄を行わずに銀歯を戻せば、食べ物のカスや、虫歯菌を銀歯の下に閉じ込めることになり、虫歯の温床になってしまいます。
銀歯を接着剤で付け直さない
銀歯を外れないように市販の接着剤で自分で付け直すのは、一番やってはいけないことです。変形や虫歯のリスクだけでなく、歯医者に行っても取れた銀歯が再利用できなくなるという金銭的なリスクも生まれます。
接着剤の分が浮き、噛み合わせが高くなって噛むだけで痛みが出ることもあります。
また、接着剤で付けてしまった詰め物を歯医者で取る時には、詰め物を削り取らなくてはなりません。もしも、接着剤の成分が歯に浸透すると歯自体も削り取る必要があります。
銀歯の取れた歯では食べない
銀歯がはずれてしまった歯では、食事をしないように気をつけましょう。
取れた場所で食事をしてしまうと弱いところから欠けてしまったり、場合によっては歯の根元の方から割れてしまって最悪抜かなければいけないこともあります。硬い食べ物は特に力がかかりますので歯医者に行くまでは反対側で食事を摂るなどして十分に注意しましょう。
また、取れた部分の歯には隙間があり、繊維性の食べカスが詰まり易くなっています。詰まった食べカスが何層にも重なり(食片圧入)、歯茎を圧迫し歯茎が腫れます。
このため、食事の際は銀歯が取れた歯を極力使わないように心がけましょう。極力銀歯が取れた歯を使わないことで、食べかすも詰まりにくくなります。
銀歯はいつか取れてしまうものと思おう
銀歯と歯を接合している接着剤(多くはセメント)は早くて2~3年で劣化して、はがれやすくなるため、最高でも10年程度で銀歯は外れてしまいます。これは歯医者が悪かったわけでも、歯磨きの方法が悪かったわけでもありません。
銀歯は金属なので、直接に歯と接着することができません。そこで、普通はセメントを薄く塗って歯と銀歯を接着します。しかし、セメントは劣化しやすく、劣化すると接着剤としての働きをしなくなり、銀歯が取れる原因となります。
また、劣化した接着剤によって銀歯と歯の間にできた隙間に、食べかすや歯垢がたまることによって虫歯になり、歯と銀歯の間に更なる隙間ができた結果として銀歯が取れてしまうこともあります。
銀歯が取れる原因は、銀歯の中で虫歯ができてしまっている場合が多いです。
いつまでに歯医者に行けばいいの?
具体的にどのくらいの期間、銀歯が抜けたままにしていると虫歯になる、いつまでに歯医者に行けばいいという目安はありません。しかし虫歯の原因になる歯垢自体は食事から早くて数時間ででき始めてしまうため、できるだけ早めに歯医者に行った方がいいことは確かです。早めに歯医者に行けない場合も、行くまでの間の歯のケアと、銀歯の保管を心がけられるといいですね。