2017年3月6日 更新

費用が高額になるインプラント、高額医療のための制度を使える?

歯の健康に注意している人は、いち早くインプラント治療を受けているようです。インプラントはあごの骨に人口歯根を埋め込むことで自然な人口の歯を装着します。部分入れ歯と違って、自分の歯で噛むのに近い感覚で食べられるので、噛む機能の回復に役立つといわれています。ただし、問題は費用です。自己負担を少しでも減らす方法はないでしょうか。

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支払った診療費が戻ってくる、高額療養費制度とは

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医療費は年々増加する一方ですね。
どの家庭でも支払っている医療費は少なくありません。
そこで医療機関や処方薬局で支払った自己負担分を減らして、家計に対する医療費の負担が重くなりすぎないようにしたのが、高額療養費制度です。

通常は、医療機関で診療を受けると健康保険が適用になり、自己負担金はそれほど高額になりません。
しかし重篤な病状で長期入院したり大きな手術をしたりしたケースでは、自己負担分が高額になることがあります。
そこで、公的な健康保険などを使っても自己負担額が一定額を超えた場合、超過分を支給するのが高額療養費制度です。
対象になる支払額は、月の初めから終わりまでの診療費や薬剤費の合計です。
高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)とは、公的医療保険における制度の一つで、医療機関や薬局の窓口で支払った額が、暦月(月の初めから終わりまで)で一定額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。

高額療養費では、年齢や所得に応じて、ご本人が支払う医療費の上限が定められており、またいくつかの条件を満たすことにより、さらに負担を軽減する仕組みも設けられています。
この制度は加入している公的医療保険によって、必要な書類などが異なります(健康保険組合・協会 けんぽの都道府県支部・市町村国保・後期高齢者医療制度・ 共済組合など)。
利用する場合は、自分が加入しているところに確認をして、申請に必要なものを聞いておきましょう。
医療機関の領収書の添付が必要なこともあります。

インプラントは高額療養費に該当するのか?

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では、この高額療養費制度は、インプラント治療に適用されるのか?
残念ですが、該当しないんです。なぜなら、インプラントはほとんどの場合、保険適用にならず、自己負担で受ける自由診療にあたるからです。
厚生労働省が出している高額療養費制度の手引きによれば、高額療養費制度に該当する診療費については、以下のように決められています。
保険適用される診療に対し、患者が支払った自己負担額が対象となりま
す。医療にかからない場合でも必要となる「食費」・「居住費」、患者の
希望によってサービスを受ける「差額ベッド代」・「先進医療にかかる費
用」等は、高額療養費の支給の対象とはされていません。
高額療養費制度は、基本的に歯科の自由診療の全てに使うことが出来ません。
インプラントは医療費控除の対象にはなりますが(年間200万円まで)、高額医療費は保険診療分が対象になりますので対象外になると思われます。
ですから歯科に限らず内科や外科であっても、公的な健康保険を使わないで受診する「自由診療」の場合は、高額療養費制度を使うことはできないのです。
インプラントで高額療養費制度を使えるケースと言えば、医師が「顎変形症」という診断をして、外科矯正治療を必要と認めたものだけでしょう。
これは保険適用になり、高額療養費制度による診療費の払い戻しの対象になります。
ただし、厚生労働大臣の許可を受けた医療機関での診療費に限定されます。

高額療養費がむりでも、医療費控除には該当する!

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それでは、インプラントの費用には、一切公的な援助はないのかといえば、そうでもありません。
医療費控除の対象になるのです。

医療費控除は、自分および家族が1年間(1/1~12/31のあいだ)に支払った医療費が10万円を超過していれば、超過した金額を所得から控除を受けられる(所得から差し引く)というものです。
ここでいう家族とは、本人と生計を共にする家族を指しますから、自宅外にいる大学生が支払った医療費も合算できます。
自分自身や家族のために医療費を支払った場合には、次の要件を満たした場合一定の金額の所得控除を受けることができます。これを医療費控除といいます。
医療費控除の申告をすると一度支払った治療費が所得税の還付として戻ってきます。家族の年間の医療費が合計10万円を超えたら忘れずに還付申告をしましょう。
医療費控除の金額は、次の式で計算した金額(最高で200万円)です。
 (実際に支払った医療費の合計額-(1)の金額)-(2)の金額

(1) 保険金などで補填される金額
(例) 生命保険契約などで支給される入院費給付金や健康保険などで支給される高額療養費・家族療養費・出産育児一時金など
(注) 保険金などで補填される金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きますので、引ききれない金額が生じた場合であっても他の医療費からは差し引きません。
(2) 10万円
(注) その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等5%の金額
インプラント治療費も医療費控除の対象になります。
1年間の治療費(他院の治療費も含む)が、10万円を超えた分が医療費控除の対象になります。
税金の還付金は収入により異なります。還付請求は確定申告の時に申告お願いします。
その時には領収証の添付が必要となりますので、大切に保管をお願いします。
支払った医療費の中には、インプラント費用も含まれますし、人工歯や入れ歯の治療費も該当します。
また、インプラント用にローンを組んでいる場合も医療費控除の対象になります(ただし、審美矯正やホワイトニングは治療ではなく美容目的とみなされ、該当しません)。
医療費控除を申請するためには、歯科でもらった領収書が必要になりますから、全部保管をしておきましょう。

インプラント=控除対象と覚えて

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インプラントは全身の健康に役立つものですが、自由診療になるため、自己負担額が大きくなります。
せっかく医療費控除で高額な医療費を減らせるのですから、申告をしたほうがお得です。
なお、医療費控除は控除額がそっくり返ってくるわけではない点は覚えておきましょう。
また、すでに支払い済みの所得税と住民税から控除されるので、非課税世帯ではお金が戻ってくることはありません。

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