人工歯根(フィクスチャー)に使われている素材は?
ほとんどの人工歯根に“チタン”が使われている
現在のインプラントの歴史はチタンから始まったと言ってもいいほど、インプラントに欠かせない材質です。インプラントの多くは、純度の高いチタンを使用しています。
チタンは非常に強度があり、腐食に強く、金属アレルギーがほとんど起こらないという、人体に優しい素材です。何よりチタンが優れているのは、骨との親和性が非常に高い点。骨としっかりと結合して一体化するため、インプラントが抜け落ちることなく噛む力を伝えられます。これは他の材質では実現できない効果であり、チタンの発見がインプラントを飛躍的に進化させてきました。
チタンも金属の一種ですが、金属アレルギーが起こりにくいという特徴があります。人工歯根には“純チタン”以外にも“チタン合金”や“チタン・ニッケル合金”など、他の素材と組み合わせることで強度を高められているものもあります。
上部構造に使われている素材は?
“セラミック類”や“金属類”が使われている
使用されている主な素材は、セラミック類(ジルコニアセラミック、オールセラミック、ハイブリッドセラミック)、金属類(メタルボンド・ゴールドクラウン、パラジウムクラウンなど)などがあります。
上部構造は、いわゆる“歯”の部分にあたります。銀歯や金歯などの“金属類”では、やや費用が抑えられる傾向がありますが、やはり目立つことを気にする方も少なくありません。セラミック類は自然な歯の色を再現することができるため、一見治療したとわからない状態にすることも可能です。
インプラントの素材は何を基準に選べばいい?
費用・見た目・強度などを総合的に判断して選ぶ
色々な素材でできた上部構造がありますが、価格が高ければ良い、見た目が白ければ良い、とは一概には言い切れません。どの素材が適しているのか、先生と相談をして選びましょう。
どの素材を使ってインプラントをするのかは、予算や見た目、強度などを総合的に判断して選ぶといいでしょう。高ければ高いほどいい素材は使えますが、あまり見た目を重視していない方にとっては過剰投資となってしまうかもしれません。自分なりにどの面を重視するのか優先度をつけておき、歯医者さんとよく相談して選ぶようにしてくださいね。
修理のしやすさを考えて導入の多いメーカーから選ぶのも手
日本国内だけで30種類以上のインプラントが使われているといわれていますが、これらには共通の規格はありませんので、基本的に他社の製品と組み合わせて使えないと考えてよいでしょう。治療を受ける歯科医院によって取り扱う製品は異なりますので、もしもの時に備えて、治療前にどのよう製品を使うのか確認しておくとよいでしょう。
インプラントは素材だけでなく、インプラントシステムを作っているメーカーも選ぶ基準とする人が少なくありません。比較的導入の多いメーカーであれば、引っ越した際に引っ越し先で定期的なメンテナンスをしてくれる歯科医院を探しやすくなるというメリットがあります。「判断材料が乏しくて迷っている」という場合には、ぜひこちらも併せて検討してみてください。
歯科医院でサンプルを見せてもらいましょう
ホームページの写真ではイマイチイメージがわかない…という場合には、一度歯医者さんに相談に行って、サンプルを見せてもらうといいかもしれません。色合いはどうなのか、触ってみた感じはどうなのか、などを確認しながら各素材の特徴などの説明を受ければきっと素材選びの参考になるでしょう。