2017年4月20日 更新

歯科矯正の「認定医」とは何か?普通の矯正歯科医と何が違うのかを詳しく解説

歯科治療には、虫歯治療以外に歯並びや嚙み合わせを矯正する矯正治療と言うものがあります。不揃いな歯並びや噛み合わせを矯正する医師を矯正医師と呼び、その中でも特に優れた認定医と言う存在がいます。今回は認定医と言うものがどういうものかについて詳しく解説しましょう。

146 view お気に入り 0

実は歯科医なら誰でも名乗れる矯正歯科医

男性のお医者さんの表情のイラスト「目がハート・疑問・居眠り・照れ」 | かわいいフリー素材集 いらすとや (11837)

歯科医師になるには、歯科大学や大学歯学部を卒業後、歯科医師国家試験に合格し、歯科医師免許の交付を受ける必要があります。歯科医師免許は、歯科医師国家試験に合格した後、歯科医籍に登録すると厚生労働大臣から発行されます。

なお、近年は歯科医師過剰問題もあり、歯科医師国家試験の合格率は年々低下傾向にあるといわれています。
矯正歯科は歯科の診療科のうちの一つで、歯並びや噛み合わせを正常な状態に戻す歯の矯正を専門とする診療科です。歯科医は虫歯などの歯の治療を主とした診療内容ですが、矯正歯科はそれとはまた別の知識と技術が必要になる特殊な診療科なのです。一般的な歯科大学だけでは学びきれない知識や技術は卒業後も専門技術として学ばなくてはならないのです。
専門分野と言える矯正歯科の世界ですが、日本では歯科医師免許さえあれば誰でも矯正歯科医を名乗れるというのが現状です。日本の歯科医師法ではこのように認められています。

”歯科医師免許を持つ者は「歯科医学に関するあらゆる分野を自由に治療すること」”

そのため、国から認められた歯科医師である以上は知識が不十分なものでも矯正歯科を名乗っても法的な制約がないのです。

日本矯正歯科学会が認定する矯正歯科医

日本で矯正歯科治療を行っている歯科医師の数は約20,000人いるとされています。その中で日本矯正歯科学会の認定医は2965人(2015年)で全体の約15%、専門医になると305人(2015年)で全体の約1.5%と、極めて少数の資格になっています。

矯正専門医という肩書きで紹介されている歯科医を目にすることがありますが、一般的に知られている矯正専門医とは、矯正治療をメインで行っている歯科医院であって、その中で「専門医」や「認定医」の資格を有しているかどうかは別な話です。
歯科医師免許を手に入れるということは凄いことには変わりありませんが、いかに優れた医師であろうとも専門外のことまで優秀かと言うと一概にはそうとは言い切れません。例えば同じ医師でも外科と内科では別物なのは誰でも解ることです。医師と言っても万能と言うわけではありません。これは医学が細分化されたことにより、治療がより専門家・複雑化していることにも起因しています。

では、どうやって矯正歯科医を見極めるかと言うと、その方法の一つに矯正歯科の認定医を探すことが挙げられます。日本において歯の矯正治療で最も権威があるのは「日本矯正歯科学会」です。この日本矯正歯科学会からの認定医の資格を持つ矯正歯科医こそが、本当の意味での矯正歯科医と言えます。

認定医取得のために満たさなければならない5つの条件

合格|写真素材なら「写真AC」無料(フリー)ダウンロードOK (464)

1.歯科医師免許の取得

これは当然のことですが、歯科大学を卒業して歯科医師免許を取得する必要があります。歯科大学や大学の歯学部で最低でも6年間の教育を受け、歯科医師国家試験に合格することで資格を取得することになります。

また、2006年の4月より資格取得後の研修施設の指定を受けた病院・診療所などで1年以上の臨床研修が義務付けられているので、免許を取得したからと言ってすぐに矯正歯科医に認定されるわけでもないのです。

2.医師免許取得後、5年以上継続して学会に所属すること

矯正歯科医を名乗るためには技術と経験を身につけることが必要です。そのために要する時間は最低5年は必要であるという判断からこのように義務付けられています。5年と言う時間は矯正歯科と言う複雑で特殊な診療科である性質上、経験や器具の扱いで様々なケースを体験する必要があるという価値観から定められたと考えられています。

3.学会指定研修機関において5年以上の矯正歯科研修を修了すること

矯正歯科の修業は資格を持った専門の指導者の下で受けることが義務付けられています。5年間の研修期間は基本研修期間を2年、臨床研修期間の3年で分けられており、学会の認めた研修機関でみっちりと矯正歯科としての知識と技術を叩き込まれます。

研修場所は各大学の歯科矯正学を教える医局だけが認められていますが、臨床研修のみ大学病院以外での研修も可能です。その場合は指導医または専門医の資格を持つ指導者であることを条件に、臨床研修機関であることを認められた病院・診療所で働き給料をもらいながらの研修をすることも可能です。

これら正規の教育課程は検定試験に合格することで免除することも可能です。この検定試験の条件は複雑で、難関であることから結局は認定医の取得は通常の正規の教育課程を経るのが近道とも言われています。

4.学会の認めた学術刊行物に矯正歯科臨床に関する報告を発表すること

医師には施術を正確に行える技術が必要ですが、矯正歯科としての深い知識や見解も必要です。技術だけでなく知識、見解、思想など矯正歯科として相応しいものであるかを判断されるのです。ただ発表すれば良いというものでもなく、学会が認めた歯科矯正の学術として機能している雑誌や刊行物での発表以外では認められません。

5.学会倫理規定を遵守する者

これは矯正歯科以前に社会人として当たり前の条件です。矯正歯科である前に社会人として当たり前のことが守れない人には医師を名乗る資格などありません。

これら5つの条件を全てクリアすることで初めて学会認定医としての資格証が交付されます。以降は公式に矯正歯科医を名乗ることが可能となり、日本矯正歯科学会の公式HPで名簿一覧に登録されるようになります。

指導医・専門医になるには認定医が条件

診断書を持つ白衣を着た男性3|写真素材なら「写真AC」無料(フリー)ダウンロードOK (475)

矯正歯科として認められる認定医はその次のステップに進むことも可能です。認定医の中から選抜されたものには指導医、専門医という資格が交付されます。もちろんそれぞれの資格を取得するには条件がありますが、スタートラインに立つにも認定医の資格が必要なのです。

認定医は公式に認められた医師

矯正歯科に関係する歯科医師数
日本矯正歯科学会専門医    309名
日本矯正歯科学会指導医   約700名
日本矯正歯科学会認定医   約3000名
日本矯正歯科学会の総会員数 約6,500名
矯正歯科を標榜する歯科医師数 19,515名
*2004年厚生労働省 医師、歯科医師、薬剤師実態調査による
認定医は矯正歯科だけでなく、分野にも存在する資格です。ここで注意する点は、認定医だからと言って最も優れているというわけではありません。認定医ではなくても技術、知識が優れた矯正歯科医師だって存在するのです。

ただ、やはり公式に認められた矯正歯科医と言うのは患者に与える安心感は大きいでしょう。日本の歯科医の矯正歯科に従事する歯科医師の数は全体の3割ほどと言われ、認定医はその3%とも言われています。その狭き門を潜り抜けてきた歯科医の認定医と言う肩書がもたらす影響は計り知れません。

関連する記事 こんな記事も人気です♪

大人になって困らないために!早期から始めたい子供の矯正歯科あれこれ☆

大人になって困らないために!早期から始めたい子供の矯正歯科あれこれ☆

親として、できることなら子供には苦労せずに楽しい人生を過ごしてほしいと思いますよね。人は中身が大切とは言いますが、第一印象を決めるのは見た目の要素が多く占めます。歯並びが悪いと印象が良くないとよく言われますが、子供のころにしっかりと直してしまえば大丈夫!ここでは、子供の矯正しかについて様々な角度からご紹介していきます。
里奈 | 378 view
なぜ?矯正歯科を利用する時に名医を選ばければいけない理由

なぜ?矯正歯科を利用する時に名医を選ばければいけない理由

歯並びが悪くて歯列矯正したいと考えている方、矯正歯科選びはとても大切です。歯列矯正の治療は、名医の高い技術と、長い期間を必要とするものですので、しっかりと先のことまで考えたうえで選ぶ必要があります。そこで今回は、矯正歯科の名医の選び方を紹介します。
ぶーちゃん | 564 view
【必見】後悔しない矯正歯科の選び方

【必見】後悔しない矯正歯科の選び方

歯の矯正治療は、保険がきかないため、高額になります。また、医師によって治療方針が異なることもあるため、一度始めると他の歯科医院に転院することができません。満足する矯正治療を受けるため、矯正歯科を選び方のポイントをご紹介します。
ぶーちゃん | 140 view
決定版!これが子供の矯正歯科だ!

決定版!これが子供の矯正歯科だ!

『うちの子歯並び悪いかも』治してあげたいけれど、費用や期間、子供への負担など思い浮かぶ疑問はつきないですよね。そもそも歯を矯正するとはどういうことなのか、疑問に思っている人も多いと思います。そこで少しでも解決するようお話しします。
PIkko | 327 view
矯正歯科における治療期間はどれくらいかかる?

矯正歯科における治療期間はどれくらいかかる?

歯の治療をする際、「どれくらいの期間がかかるのだろう?」という疑問を持つ方もいると思います。「あまり長期間の治療になってしまって費用が気になる」と金銭面についても不安が出てくることもあると思います。矯正歯科における治療期間は一体どれくらいかかるのでしょうか? 年齢によって大きく異なるのでしょうか? 詳しく見ていきたいと思います!
あかねっぴ | 117 view

この記事のキーワード

この記事のキュレーター

manji manji