2017年3月6日 更新

失った歯を取り戻したい!「歯の再生治療」について解説します

私たちは、歯を使ってものを噛み、食事をします。また、歯は言葉の発音にも重要な役割を果たしている無くてはならない器官です。しかし、歯周病などの疾患や何らかの理由で歯を失ってしまう人もいます。そのまま放置しておけば、噛む機能や言葉の発音に影響が出てくるので、なんとかしたいと考える人は多いでしょう。ここでは、歯を再び取り戻す「歯の再生治療」について簡単にお話したいと思います。

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歯は再生できるの?

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現代では入れ歯やインプラントなどを使って、ある程度歯の機能を取り戻すことができます。入れ歯もインプラントも広い意味では歯の再生治療と言えるでしょう。
しかし、最近では歯を移植したり、歯を支える骨を再生させたりする医療が行われるようになってきました。

また、将来的にはips細胞を利用して、歯を再生させることが可能になるだろうと言われています。
既にマウスを使った実験では歯の再生に成功しており、今後5年から10年以内には実用化され、入れ歯やインプラントを使わずに済む時代が来るかもしれません。

歯の再生治療「4つの方法」

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現在、歯の再生治療の方法は4つあります。

①自分の歯を移植する「歯牙移植」

歯牙移植とは、歯を失ってしまった場所に自分の歯を別の場所から移植する治療法です。例えば、重度の虫歯になってしまった場合や事故などによって歯根が割れてしまった場合などで、抜歯した部分に親知らずや過剰歯などを移植することができます。歯と一緒に「歯根膜」という歯の周囲にある組織を移植するためなじみが良く、自然な噛み心地を取り戻すことができます。

②GTR法

GTR法は1982年、S.Nymanらにより発表された歯周病治療の新しい方法です。
これは 歯の周りに必要な組織を再生させて、歯の支持構造をできるかぎり元の状態に戻すという方法です。
メンブレンという人工の膜を使って、歯周組織を再生させます。
GTR法を行えばすぐに歯周組織が再生するわけではなく、体に備わっている自然治癒力に頼るところが大きい治療法です。

③エムドゲイン法

エムドゲインゲルとは、スウェーデンのビオラ社で開発された新しい歯周組織再生誘導材料のことです。エムドゲインゲルの主成分(エナメルマトリックスデリバティブ)は、子供のころ、歯が生えてくる時に重要な働きをするたん白質の一種でできています。現在の科学水準に基づく高い安全性確保の下、幼若豚の歯胚から抽出精製したもので、2001年12月現在、世界28カ国で使用されています。

歯周外科手術の際に、手術部位にエムドゲインゲルを塗布することにより、歯の発生過程に似た環境を再現することができます。こうして、初めて歯が生えたときと同じような強固な付着機能を持つ歯周組織の再生を促し、健康な歯周組織を取り戻します。

④小矯正

小矯正とは、大規模な矯正ではなく小規模な矯正治療のことを言います。矯正は全体の歯に行うのに対して、小矯正は1、2本の数少ない歯を簡単な装置などで動かして歯を矯正していく方法です。
一部だけ骨が無くなっている場合や、奥歯が傾いてしまっているようなときは「小矯正」という方法で治療します。
問題の部分を矯正することで新しい骨を再生させる方法です。
矯正といっても、一般的な歯列矯正よりも短期間で済みます。
これら4つの方法を使って、自分の歯の機能を回復させる再生治療が行われています。
どの方法が最も適しているかは医師の判断によるので、歯の再生治療を希望する人はよく医師と話し合って方法を選択するようにしましょう。

ティースバンクで自分の歯を保存する

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自分の歯を移植して歯の再生治療を受ける場合、問題は移植するための歯をどこから調達するかです。
誰にでも親知らずが生えているとは限りませんし、正常な歯を抜いて移植するのは本末転倒です。そんな時利用したいのが「ティースバンク」です。

ティースバンクは直訳すると「歯の銀行」で、文字通り歯を半永久的に保存できるシステムです。

抜歯した親知らずや、歯列矯正のために抜いた歯など、虫歯になっていない比較的状態の良い歯を冷凍保存し、もし自分の歯の機能が失われた際にはそこから自分の歯を移植します。
もちろん自分の歯を使うため、拒絶反応などは起きにくいのがメリットです。
一方、自分の歯は自分以外の人に移植することはできません。技術が進めば他の人に移植することもできるようになるかもしれませんが、2017年現在はまだ不可能と言われています。

将来のことを考えてティースバンクに自分の歯を保存しておきたいのなら、一度医師に相談してみましょう。
歯を冷凍保存する大学と提携している医師であれば、ティースバンクに歯を保存できるよう手配してくれるのではないでしょうか。

将来的には再生可能!?日々進歩する歯の再生治療

現在ではまだ人間の歯を再生させる技術は実用化まで至っていません。しかし、日々技術は進歩しており、そう遠くない将来には人間の歯を再生できるようになると言われています。
歯の再生治療といっても様々な方法があるので、自分に適した方法で治療を受けるようにしましょう。

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菜々緒 菜々緒