そもそも矯正をした方がいい基準は?
矯正をする基準というのをご存知でしょうか?実は明確な基準は定まっていません。
矯正を考える理由としては、下記のような事情があります。
矯正を考える理由としては、下記のような事情があります。
●見た目が悪い
●歯が出ていて口が閉じれない
●歯に食べ物が挟まりやすい
●歯列が悪くて歯磨きが出来ずに虫歯が多い
●滑舌が悪い
これらは全て『健康を害して(病気になったり死んだり)しない』すなわち『行わなくてもいい治療』『審美的な治療』として、国も健康に被害がないとし、自由診療であって自費の治療になります。中には『先天性的に歯が6本以上欠如している』『外科的処置が必要である』などこうした場合には保険適用・一部保険適用となりますが、それ以外は基本保険適用外になります。
残念ながら日本人は、歯並びが悪くなりやすい人種と言われています。
比較的歯並びがいいとされる欧米人に比べ、上下のあごの骨格が小さいためです。
しかし、人種関係なく成人の歯33本・乳歯20本です。
あごが小さいうえに同じ数だけ歯を並べるのは無理があり、そのせいで歯列がゆがんだり前に出たりと歯並びが悪くなってしまうことが多いのです。
それでは子供がする矯正対象の主な歯並びはどのようなものがあるのでしょうか。
比較的歯並びがいいとされる欧米人に比べ、上下のあごの骨格が小さいためです。
しかし、人種関係なく成人の歯33本・乳歯20本です。
あごが小さいうえに同じ数だけ歯を並べるのは無理があり、そのせいで歯列がゆがんだり前に出たりと歯並びが悪くなってしまうことが多いのです。
それでは子供がする矯正対象の主な歯並びはどのようなものがあるのでしょうか。
矯正対象の7つの歯並び
●八重歯・乱杭歯
歯並びが凹凸になったりして生えていること。
原因:歯が顎に対して大きい。
原因:歯が顎に対して大きい。
●出っ歯
上の歯や歯茎が前に出ていること。
原因:上の歯や歯茎に必要以上の過剰な負荷が継続してあること。
原因:上の歯や歯茎に必要以上の過剰な負荷が継続してあること。
●受け口
下の歯と顎が上の歯よりも出ていること、滑舌が悪い。
●オープンバイト
奥歯は噛み合っていても、前歯がかみ合わず隙間がある状態。
原因:舌を突き出すクセ、指しゃぶり。
原因:舌を突き出すクセ、指しゃぶり。
●過蓋咬合(かがいこうごう)
前場のかみ合わせが深すぎること。歯が摩耗しやすい。
●すきっ歯
前歯の間に隙間があること。
原因:骨の中でとどまり出て来ない余分な歯・上唇の裏にあるスジの発育不良。
原因:骨の中でとどまり出て来ない余分な歯・上唇の裏にあるスジの発育不良。
●空隙歯列(くうげきしれつ)
すきっ歯に似ているが、歯の間の隙間がところどころにあること。
原因:顎の大きさに比べて歯が大きかったり少なかったりする。
原因:顎の大きさに比べて歯が大きかったり少なかったりする。
これらの歯並びの共通する主な原因は、「指しゃぶり」「口呼吸」「遺伝的要素」「舌の使い方」です。指しゃぶりは有名な話ですが、口呼吸や舌の使い方など意外な理由もあります。
小児矯正の治療期間
小児矯正は1期治療と2期治療の2つに分かれています。1期ではあごを整えることを主に、2期では歯列を整えることを主に行います。
第1期治療(骨格矯正)
対象:子供歯の生え代わり状態・乳歯列期 ・混合歯列期
主な治療装置:取り外し式・固定式
治療の内容:顎(あご)の成長促進・抑制・歯列弓の拡大・癖の除去
※混合歯列期とは、歯の生え代わり時期。乳歯と永久歯が混在する状態。
対象の目安年齢は3歳~12歳と幅広いですが、治療の内容によっては3歳から始めるより6歳からの方がいい場合もあります。
治療期間としては10か月~1年半が目安です。
治療期間としては10か月~1年半が目安です。
第2期治療(歯列矯正)
対象:大人歯の生え代わり状態・永久歯列期
主な治療:装置ブラケット・ マウスピース
治療の内容:歯の移動
※永久歯列期とは、すべて永久歯の状態。
対象の目安は10歳~成人までと幅広いです。ただ永久歯が生えそろってからの治療になるので、生えそろうまで待たなくてはなりません。
治療期間は1年半から2年半が目安になります。
治療期間は1年半から2年半が目安になります。
どうして小さい時から矯正するの?(メリット)
どうして小さい時から矯正を始めるといいと言われているのでしょうか。子供自身、自分の見た目や容姿をまだ気にする年齢でも、ましてや出っ歯だとかすきっ歯だと気にする年齢でもない頃から始める場合があります。
1.永久歯を抜かない矯正の可能性が格段にあがります。
永久歯がはえるスペースが足りない場合、奥歯を後ろに移動させたり、あごの横や前への成長を促すことによりスペースが出来ます。 早期治療により将来的に永久歯を抜歯せずに本格矯正(ワイヤーによる矯正)ができる可能性が高くなります。
2.あごの成長のバランスを整えることが出来ます。
正常な発育を妨げるような歯並びや癖を改善し、あごやお顔の成長のバランスを整えます。 また、放っておいて、あごの関節が痛くなったり(顎関節症)外科的な手術をしなければ治らないケースを避けることが出来ます。 お顔つきやあごの成長のコントロールは、成長期のこどもでしか出来ない矯正治療です。
3.お口の本来の機能を取り戻します。
指しゃぶりや舌癖は、歯並びだけではなく発音や食べ物の食べ方・飲み方に大きく影響を及ぼします。 また、普段お口を開けている癖を引き起こします。 早期に癖を改善するとともにお口の周りの筋肉や舌の動きのトレーニングをして正しい筋肉の動きの習得を目指します。
4.早めの対処で永久歯での矯正期間が短くなります。
あごの成長のコントロールをしたり、永久歯を正しい位置に生えるように導くことにより永久歯列になってから行う本格矯正が簡単で期間が短くなったり、必要なくなる場合があります。
小児矯正を行うとどうなるのか(デメリット)
1.子供の矯正はほとんどの場合、アゴの骨の成長が終わる15歳前後まで経過を観察する必要があるため、矯正期間が長くなることがあります。
2.矯正期間中、一時的に見た目が悪くなることがあります。 (矯正装置が見えたり、一時的に歯並びが悪い状態になったりする)
3.小児矯正を行っても、大人になってから再度矯正が必要になることがあります。(特に受け口の場合には、大人になってから外科矯正が必要となるケースが多い)
4.小児矯正に使用する装置は、その多くが家庭で患者さん本人に装着してもらうタイプのものなので、患者さん本人が治療に協力的でない場合には良い治療結果が出にくくなることがあります。
5.矯正中は基本的に虫歯になりやすくなるので、注意深く歯のケアを行わないと虫歯が出来てしまう恐れがあります
虫歯とは違って数回行けば全て綺麗になるわけではなく、年単位で通い続けなくてはならないので何よりも保護者の意志と本人の根気が必要なのが一番大変なことですね。
どこで治療を受けられるのか
via pixabay.com
歯科医師免許を持っていれば法律では矯正治療は行えます。ただ、医師に内科・外科など専門分野があるように歯科医師にも得意・専門分野があり、誰しもが最高の矯正治療を行えるわけではありません。
日本には矯正治療に対して権威のある日本矯正歯科学会という機関が行う『認定試験』というものがあります。
その認定試験に合格すると改めて『認定医』となり、その意思は矯正のエキスパートという証明にもなります。
しかし今の日本に認定医の資格をもつ歯科医師は全体の3%の3000人ほどしかいません。
都合良く自宅近くにいてくれればいいのですが、なかなかそうはいかない人数ですよね。
認定医を選んだ場合と一般の歯科医院を選んだ場合を比較してみました。
日本には矯正治療に対して権威のある日本矯正歯科学会という機関が行う『認定試験』というものがあります。
その認定試験に合格すると改めて『認定医』となり、その意思は矯正のエキスパートという証明にもなります。
しかし今の日本に認定医の資格をもつ歯科医師は全体の3%の3000人ほどしかいません。
都合良く自宅近くにいてくれればいいのですが、なかなかそうはいかない人数ですよね。
認定医を選んだ場合と一般の歯科医院を選んだ場合を比較してみました。
認定医が開業している矯正専門の歯科医院を選んだ場合
メリット:比較的予約がとりやすい。また矯正に特化しているので安心感を得られ、最新の治療を受けやすい。
デメリット:虫歯や歯周病など一般的な歯の治療は受けられないので他の歯科医院へ行かなくてはならない。
デメリット:虫歯や歯周病など一般的な歯の治療は受けられないので他の歯科医院へ行かなくてはならない。
一般の歯科医院を選んだ場合
メリット:自宅近隣で探しやすい。虫歯の治療などと一貫して受けられる。
デメリット:矯正治療が得意か不得意かわかりにくい。予約がとりにくい。
デメリット:矯正治療が得意か不得意かわかりにくい。予約がとりにくい。
『長期間通うので出来れば自宅近くがいい』『やはり専門医に診てもらった方が安心だ』など、求めることはそれぞれありますが、共通して言えるのは『いい医師であるか』ではないでしょうか。
例え優秀とされる認定医でも説明もない、話を聞いてくれないなど患者をないがしろにするようであれば安心して治療も受けられないのではないでしょうか。
そこでいい医師・病院の見分けるポイントを紹介したいと思います。
例え優秀とされる認定医でも説明もない、話を聞いてくれないなど患者をないがしろにするようであれば安心して治療も受けられないのではないでしょうか。
そこでいい医師・病院の見分けるポイントを紹介したいと思います。
いい医師・歯科医院の見分け方
説明力は信頼のバロメーター
現代の医療において重要視されるのは、「医師からの説明」であるといえます。患者の不安に適切に対処できる能力や、隠し事無く症状や治療方針について解説できることは医者としての信頼感に繋がるものです。不安や疑問に答えてくれる医者であれば信頼しても良いといえます。
医者との相性
最終的な判断要素として言えるのが、医者との相性です。第一印象で判断するのではなく、「この人ならば自分の要望を叶えてくれる」「若いけど腕は確かだ」といった印象に基づく相性で判断するようにしましょう。
矯正治療は高額な上治療期間も長く、また結果がすぐにわかりにくい治療です。
その上で納得し、根気強く続けるには医師やスタッフとの意思の疎通や連携がとても大切です。
少しでも不満や不安がある場合は数件の病院を見てみるのもいいでしょう。
その上で納得し、根気強く続けるには医師やスタッフとの意思の疎通や連携がとても大切です。
少しでも不満や不安がある場合は数件の病院を見てみるのもいいでしょう。
矯正の費用は?
一番気になるのは高額になるという費用のことではないでしょうか。
先にお話しした通り、矯正治療は先天性的な理由を除いて『自由診療』になります。
その病院が好きな価格を決めていい診療になるので、その病院によって同じ治療でも金額が異なります。
一般的な治療法に対してかかる費用の目安になります。
先にお話しした通り、矯正治療は先天性的な理由を除いて『自由診療』になります。
その病院が好きな価格を決めていい診療になるので、その病院によって同じ治療でも金額が異なります。
一般的な治療法に対してかかる費用の目安になります。
ムーシールド 10万円程度
受け口を早期に治療するマウスピースがムーシールドです。顎の骨格が成長を終えた後よりも、子供の頃の方が、より早く治療することができると言われています。就寝中に装着するので、矯正の負担も少ないものとなっています。
プレート矯正 30万~60万円程度
歯の内側にプレート状の器具を付けて、顎を広げ、上下の顎のバランスの良い成長を促すのがプレート矯正です。床矯正とも言われています。乳歯の残っている一期治療で、主体となる治療法となっています。
マウスピース 10万円程度
顎の骨の柔らかい一期治療に使用することで、大きな効果が期待できるのがマウスピースです。欧米でも、子供の矯正の主流となっています。ブラケットに比べて安価で、家にいる時の1時間と、就寝時のみの装着なので、お子様の負担が少ない矯正方法と言えます。出っ歯や受け口、開咬症(前歯が噛みあわない歯並び)など、それぞれに適したマウスピースが用意されています。
ブラケット矯正 50~70万円
歯に留め具を装着し、ワイヤーで歯列を矯正するのが、ブラケット矯正です。大人の一般的な矯正法でもあります。子供の場合、永久歯が生えそろい、顎の成長が完了した二期治療で使われる器具となります。一期治療から継続して治療する場合には、大幅に格安で治療できる歯科医院もあります。
リンガルブラケット矯正 70~90万円
歯の裏側にブラケットを装着して、矯正を目立たないようにできるのが、リンガルブラケット矯正です。高い技術を要するため、一般的なブラケット矯正よりも割高になります。
第1期治療 治療費(目安)
●初診料…6,000円
●検査・診断料…25,000~50,000円
●装置・器具代など…25~50万円
●通院費など…1,000~10,000円(通院の度にかかります)
≪総合≫
30~60万円程度
※治療の難易度によって変動幅が大きいです。
●検査・診断料…25,000~50,000円
●装置・器具代など…25~50万円
●通院費など…1,000~10,000円(通院の度にかかります)
≪総合≫
30~60万円程度
※治療の難易度によって変動幅が大きいです。
第2期治療 治療費 (目安)
※同じ病院へかかる場合の目安です。あたらしい病院へかかる場合は初診料・検査料などかかります。
時間をあけて2期治療を行った場合も検査料がかかる場合があります。
●装置・器具代…20~60万円
●通院費など…1,000~10,000円(通院の度にかかります)
≪総合≫
25~65万円程度
※2期から治療を始める場合…70~100万円程度
時間をあけて2期治療を行った場合も検査料がかかる場合があります。
●装置・器具代…20~60万円
●通院費など…1,000~10,000円(通院の度にかかります)
≪総合≫
25~65万円程度
※2期から治療を始める場合…70~100万円程度
1期も2期も、この他に目に見えないお金(交通費など)や経過観察のための検査(レントゲン・型どりなど)かかる場合が多くあります。
この目安以上はかかると考えておきましょう。
この目安以上はかかると考えておきましょう。
※歯列矯正において、受ける人の矯正や目的によって『歯列矯正が妥当』と判断された場合は”医療費控除”の対象になる場合があります。
担当の医師に診断書を書いてもらう必要があるので、医師に確認してみましょう。
担当の医師に診断書を書いてもらう必要があるので、医師に確認してみましょう。
引っ越しの予定がある場合
もし治療の途中で引っ越しをする場合、引っ越し先の病院で続けて治療を受けることは可能です。
ただ、自由診療ですのでほとんどの場合、もう一度お金を払う必要があるケースが多いです。
もともと治療を受けていた病院へ一部返金の対応が可能かどうか確認したほうがいいでしょう。また、今後引っ越す予定がある場合は返金対応が可能かどうか、治療を始める前に確認することも大切です。
ただ、自由診療ですのでほとんどの場合、もう一度お金を払う必要があるケースが多いです。
もともと治療を受けていた病院へ一部返金の対応が可能かどうか確認したほうがいいでしょう。また、今後引っ越す予定がある場合は返金対応が可能かどうか、治療を始める前に確認することも大切です。
まとめ
子供の歯並びが気になっても簡単には治療できないのが矯正ですよね。
近年歯並びの大切さ、口腔環境が身体に与える影響がクローズアップされるようになり、改めて注目を浴びてる矯正歯科。
高額すぎて治療を断念するご家庭が多いのが事実です。
しかし、歯並びが悪いというのは健康面では影響が見えにくいですが『精神衛生上影響が出やすい』部分でもあります。
子供が思春期になり大人になり、『出っ歯が気になって笑えない』『すきっ歯のせいで話すと空気がモレる音がする』など様々なコンプレックスを引き出します。
でもそれらのコンプレックスは子供のうちに治してあげることができるんです。
高いからと避けるのではなく、お子さんの歯並びが気になったらまず、歯科医師に診てもらいましょう。
矯正ではなく今できる事があるかも知れません。
もし今指しゃぶりをしているお子さんがいたら、やめさせる努力をしませんか?
口呼吸をしていたら、鼻で息をするように気をつけるよう根気強く言い聞かせませんか?
それだけで随分、歯並びが悪くなるリスクが減るんです。
歯並びを整えるだけで、姿勢がよくなって集中力が増す、発音がよくなるとういう統計も出ています。
もう一度歯並びについて考えるきっかけに、矯正について知るきっかけになれたらと思います。
近年歯並びの大切さ、口腔環境が身体に与える影響がクローズアップされるようになり、改めて注目を浴びてる矯正歯科。
高額すぎて治療を断念するご家庭が多いのが事実です。
しかし、歯並びが悪いというのは健康面では影響が見えにくいですが『精神衛生上影響が出やすい』部分でもあります。
子供が思春期になり大人になり、『出っ歯が気になって笑えない』『すきっ歯のせいで話すと空気がモレる音がする』など様々なコンプレックスを引き出します。
でもそれらのコンプレックスは子供のうちに治してあげることができるんです。
高いからと避けるのではなく、お子さんの歯並びが気になったらまず、歯科医師に診てもらいましょう。
矯正ではなく今できる事があるかも知れません。
もし今指しゃぶりをしているお子さんがいたら、やめさせる努力をしませんか?
口呼吸をしていたら、鼻で息をするように気をつけるよう根気強く言い聞かせませんか?
それだけで随分、歯並びが悪くなるリスクが減るんです。
歯並びを整えるだけで、姿勢がよくなって集中力が増す、発音がよくなるとういう統計も出ています。
もう一度歯並びについて考えるきっかけに、矯正について知るきっかけになれたらと思います。